インパクトのあるアパート名で満室に…を狙うのは要注意！

先日、テレビの「ナニコレ珍百景」を見ておりましたら、

「アパートの名前を変えたら満室に！」という話題が放送されていました。

アパート名は、「ディオ・ブランドー八王子」です。

アパート名としてよくあるのは、「なんとかハイツ」や「コーポなんとか」「メゾンなんとか」…。

外国語で「家」に類するものを冠した名前です。

テレビにでていたそのアパートも、元はそんなよくある名前でした。空室も多かったようです。

それを、「ディオ・ブランドー」と言う名前に変えたら、満室に！

ご存知ない方にお伝えしますと、ディオ・ブランドーというのは日本が世界に誇る漫画、「ジョジョの奇妙な冒険」にでてくる登場人物。

このアパート自体、「ジョジョファン」や、あるいは「変わった物件マニア」たちに結構有名だったりするようです。

この名前にすることによって、

「このアパートのオーナーさんは、ジョジョが好きな人なんだな！」

という好感から、入居したがる人もいるでしょうし、

「好きなキャラクターの名前のアパートに住んでるんだ！」

ということ自体を喜ぶ人もいるでしょう。

友達に「俺、ディオ・ブランドーに住んでるんだぜ」なんて自慢もできちゃうことでしょう。

分からない人にはただの横文字ですが、分かる人には「多少立地が悪かったり、設備が古かったりしても入居したい」と思わせるくらいにはパワーがあります。

人物名じゃなくても、例えば「めぞん一刻」とか、「タトゥイーン」（スター・ウォーズに登場する惑星の名前）とか、

「グリフィンドール寮」って名前の寮があったら、需要が見込めるのではないかと思いますがいかがでしょうか。もしかしたら、もうあるかもしれない。
いえ、私はハッフルパフ寮が希望なんですが…。

アパートの名前というのは印象として大事なものです。

「なんとか荘」みたいな名前だと、いくらリフォームをしていたとしても、

第一印象でなんとなく古くさそうだなあ…と思われてしまったりするので、入居率を上げる目的でアパート名を変える、という方は少なからずいると思います。

しかし、「有名作品やファンが多いものから名前をとれば満室になるのか！？」

と腰を上げかけたオーナーさんたちは、いったん落ち着いてお茶でも飲みましょう。

先程あげた「ディオ・ブランドー」のアパートは成功したようですが、なんでもかんでも上手くいくものではありませんし、

こういった「熱烈なファン」に狙いを絞った方法は、劇薬です。

最近は権利関係に厳しい目を持つ人が多いので許可も取らずに名前を使ってると、場合によっては炎上する可能性があります。

また、オタク・マニア・ファンの人々は「根っから好きで名前を変えた」という「仲間」と見なせば歓迎してくれる人が多いですが、
「便乗商法」を嫌悪する人が多く、二匹目のどじょうを狙っていると思われたら、やっぱり炎上するかもしれません。

それから、特徴的な名前というのは注目を集めます。
住んでいなくても「変な名前だから、通りがかったら必ずアパートの様子を見る」といった人もいるでしょう。
アパートで何か起きた場合、やたらと大きく情報が広まったりする可能性があります。

ファンの間で話題になることで、既存の入居者さんが嫌がって出て行ってしまうといったケースもあるでしょう。

そもそもにして、「アパート名を変更するのは何か事故があってその印象を払拭するためでは？」と勘繰る人も結構いますから、軽々しく変えるのはオススメできません。

話題になって人が入居してくれることを狙ったら、

悪目立ちして変な方向に話題になってしまった…というのはありそうな事態です。

結局は衣食住の「住」ですから、名前がなんであろうと環境や設備、賃料が良ければ住む人はいるかと思いますが、

変わった名前をつける場合は、ただ変更するよりも色々と慎重な気遣いが必要です。

まず、なにより気遣うべきは現在入居している方々です。

アパート名が変わることで手続きが必要になることもあるでしょうから、急に変更されれば戸惑い、怒る人もいるかもしれません。

慎重に考えて、長く使える良い名前をつけてくださいね！