北海道の「市街化調整区域の違法建築物」問題に注目が集まっています!
札幌の動物園「ノースサファリサッポロ」が、違法建築等の問題で閉園が決定となりましたが、
その影響もあり、札幌及びその近郊では現在「市街化調整区域の違法建築」に注目が集まっています。
「市街化調整区域」とは?
まず「市街化調整区域」とはなんなのかというと、
町を作るにあたって、「このあたりを市街地にしたい」「このあたりは市街地にしたくない」という町の方針というのがあります。
「都市計画」です。
都市計画で町として発展してほしいエリアを「市街化区域」、発展しないでほしい…農地や自然を残したいエリアを「市街化調整区域」として定め、
市街化調整区域では建築物を建てること、すでにある建物の増改築、用途の変更などが制限されています。
↑こちらの札幌市のホームページでも記載されていますが、
家などを建てるのはもちろん、物置・プレハブ小屋などを置くことも禁止されています。
住宅として使用されている建物を店舗として使用する、といったことも厳密には用途変更となり禁止なので、
「市街地から離れた場所でカフェなんかやりたいなあ」というのも、簡単ではなかったりします。
自治体にその関係の部署がそれぞれあるかと思いますので、相談してみましょう。
今後、法令整備される可能性も
この市街化調整区域に、20年ほどにわたって無許可で建築物を建て続けたほか、
無許可での動物飼育などもあり、2025年9月に閉園となる予定のノースサファリサッポロなのですが、
この影響もあり、市街化調整区域の違法建築物に注目が集まっています。
札幌市の市街化調整区域には現在3000棟もの違法建築物があるそうで、
これでも1000棟ほどは市からの指導で撤去されたそうです。
違法行為とはいえ、一度建てられてしまったものを撤去させるというのはそう簡単にはいかないですね。
今回の件を受けて世間にも広く「市街化調整区域の違法建築物」の存在が知られ、
今後は行政指導が厳しくなったり、違反を抑制する法令などが整備されることもあるかと思います。
あらためて「市街化調整区域」がどんなエリアなのかを知り、適切な使用をするようにしましょう!
市街化調整区域の制限についての身近な問題
一方で、市街化調整区域のこういった制限は問題も抱えています。
市街化調整区域の違法建築物、というのは大半が事業用のものなので、一般の方にはあまり縁がないように思われるかもしれませんが、
「違法ではない建築物」も中には存在し、その中には住宅なども存在します。
例えば、まだ制限がなかった頃に建てた住宅があったとしてます。
条件は色々つくのですが、「都市計画が整備される前に建てたもの」は増改築、用途、使用者などに制限がつくものの、そのまま使用することができることが多いです。
しかし、所有者が亡くなり、相続した人も住まない。
売ろうにも、住宅としては立地が悪すぎたり、建物設備が古く改修にお金がかかりすぎて売れない。
事業所などに使いたい!という人はいるけれど市街化調整区域は「用途変更」に制限があってそれもできない。
放置された家はどんどん朽ちて倒壊の危険がある状態になってしまう。
空き家の老朽化などが社会的にも問題視されていますが、
市街化調整区域の住宅というのは人通りの少なさや隣接した建物が無いことからも、「危険空き家」としては見逃されがちかもしれません。
しかし、こういった物件の所有者さんが、遠方で管理もできず、解体のお金も用意できずに困っているケースが存在します。
市街化調整区域の違法建築物に関する法令の整備がなされるのであれば、
ぜひこういった空き家などの活用についても整備が進んでくれるといいですね!
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