賃貸管理会社を変更する時に「家賃保証会社」の契約はどうなる？

賃貸管理会社を変更するにあたっては、色々と引継ぎがあります。

契約書類や、鍵の引渡し。敷金や前家賃などのやりとりもあるかもしれませんね。

それから、「入居者さんが加入している保証会社」の契約…はどうなるんでしょうか？

まず、賃貸保証会社（家賃保証会社）とは何かですが、

簡単に言えば「借主の連帯保証人に近い役割をしてくれる会社」です。

詳細は↓の記事をお読みいただけると幸いですが、

大きな役割としては、

「借主が滞納したときに家賃等の立て替えをする」

「管理会社や大家に代わって取り立てを行う」

ということです。

更には、

「借主の銀行口座から家賃の引落しをする」

タイプの契約もあり、入居者がうっかり振込を忘れるのを防ぐ役割もしています。

保証会社は不動産仲介会社や管理会社との間で契約を結んでおり、

「保証会社が、契約を結んだ管理会社の指定の口座に家賃を振り込む」→「管理会社がそれを精算して、オーナーに振り込む」

というのが、よくある保証会社と管理会社の流れです。

「連帯保証人の代わり」という印象が強いのですが、

昨今は口座引落を保証会社が行ってくれるケースも増え便利になったことで、

連帯保証人の有無にかかわらず、保証会社に加入してもらうことが増えています。

では、管理会社を変更する、という場合に、保証会社の契約はどうなるのでしょうか。

単純に保証会社と借主の間の契約というわけではなく、

保証会社と管理会社との間にも契約が存在しているため、何もしなくてよい、というわけにはいきません。

管理会社変更が可能な場合は、手続きも少なく簡単です。

保証会社の方でも変更のための専用の書式などがあり、

それに、会社名や振込先などの変更内容を記載して提出する、といった流れになると思います。

前管理会社と新管理会社が、両方とも同じ保証会社との業務契約をしていないといけませんが、

大手の保証会社さんであれば、同じ保証会社を利用しているケースは割と多いと思います。

保証会社によっては引継ぎ出来ない場合がございます。

特に信販系と呼ばれる、審査時に信販情報を参照したり、契約時にクレジットカードを発行したりするタイプの保証会社は、引継ぎができないことが多いです。

カード会社が関わっているため、なかなか簡単にはいかないようです。

他にも、前管理会社が利用していた保証会社が新管理会社との間に契約がなかったり、

管理事務上や信頼関係の問題から、管理会社が利用する保証会社を指定したい場合もあるでしょう。

引継ぎができない場合の選択肢としては

①新たに保証会社を契約する

②保証会社をつけない

があります。

①保証会社を契約する

保証会社の契約には、審査や契約の費用が必要です。

審査には現在有効な身分証明書が必要となりますので、入居者の皆さんに用意していただく必要があります。

また、保証会社にかかる費用については▶こちらもご参照いただければと思いますが、

契約初回の費用の他、月々の引落時に月額保証料、年毎に更新保証料などがかかる場合があります。

オーナーおよび管理会社の都合による変更ですから、初回保証料の負担を入居者さんにしていただくというのは、ご納得いただくのが難しいと思います。

さらに、月額保証料や更新保証料の金額が、前の保証会社と変わるという場合。

金額が安くなるぶんにはいいでしょうが、高くなる、という場合はこれもご理解を得るのが困難かもしれません。

場合によってはオーナーが全額負担をしたり、家賃をその分減額する、といった対応が必要になってくるかと思います。

②保証会社をつけない

上記のような負担や手間をかけたくないのであれば、いっそ保証会社をつけないという選択肢もあります。

特に、入居者さんにこれまで滞納等がなく、連帯保証人もついている、という状況であればつけなくても良いかもしれません。

しかし、今後何があるかわからないから契約いただいているのが保証会社ですので、

契約しないことでリスクへの対応力が低下することに注意が必要です。

保証会社と直接的なやりとりを行うのは管理会社です。

管理会社変更の際の保証契約については、新管理会社に相談するのが良いでしょう。

保証会社ごとに方針などもありますので、

そちらに任せた方が、管理会社側としても今後管理していく上でより良い、入居者さんにとっても良い方法をとってくれると思います。

その上で、費用等について管理会社から協力を求められることもあるかと思いますので、

「こういう費用が発生することがあるのだな」ということを本記事で記憶に留めておいていただけますと、幸いです。