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2021年07月29日
不動産の窓口ブログ

高額な原状回復費用に「国交省ガイドライン」で対抗…する前に知っておきたい注意点!

賃貸物件の退去時に莫大な原状回復費用を請求されるのを、知識を使って回避した!

という話をよく見かけます。

「国交省のガイドラインについて話をすれば、管理会社はすぐ請求を取り下げてきたよ!」

なんて話が多いですね。多分、管理会社さんが分かっていて「そのまま払ってくれればラッキー」くらいで請求したんでしょう。

しかし、こういった体験談にはほとんど書かれていないけれど、要求する前に気をつけて欲しい部分、というのがあったりします。

「国交省ガイドライン」は万能ではない、という部分です。

そもそも国交省ガイドラインって何のためのもの?

そもそも国交省のガイドライン、

原状回復をめぐるトラブルとガイドラインですが、

賃貸物件の汚れや損傷などについて、「貸した側と借りた側、どちらが費用などを負担するのか」についてのトラブルがよく発生するため、

トラブルの未然防止のために設けられた「一般的な基準」を示したものです。

 

↑リンクの国交省HPに

 > [1]   このガイドラインは、賃料が市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定しています。
 > [2]   このガイドラインは、賃貸借契約締結時において参考にしていただくものです。
 > [3]   現在、既に賃貸借契約を締結されている方は、一応、現在の契約書が有効なものと考えられますので、契約内容に沿った取扱いが原則ですが、契約書の条文があいまいな場合や、契約締結時に何らかの問題があるような場合は、このガイドラインを参考にしながら話し合いをして下さい。

 

などの記載があり、簡単にかみ砕くと、

 

ガイドラインは、契約を結ぶときに「このガイドラインを参考に契約書を作りましょう」という目的で作られたもの。

契約書にはちゃんと契約書としての効力があり、基本的にガイドラインは契約書を上回る効力を持つわけではない。

けれど、契約書に詳しくかかれていない内容があったり、契約の時きちんと説明をされなかった、といった都合があるなら、ガイドラインを参考にしましょう。

 

というのが、この「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものです。

 

つまり、契約書の内容によっては、必ずしも国交省ガイドラインに書かれている内容が適用されるわけではない、ということです。

「ガイドライン」と「契約内容」が食い違っていても、成立します!

契約書には契約書としてちゃんと効力がある、とは言ったものの、

契約書に記載はあっても、訴えてみたら裁判で内容の無効が認められるようなケースはありえます。

しかし、それは契約書に書かれていることが著しく偏った内容であったり、

適正な額から大きく外れた金額を請求するような内容になっていた場合の話です。

 

例えば、契約時や退去時に「清掃費用」を借りる人が支払うような契約になっていることが、よくあると思います。

でも国交省ガイドラインでは

「次の入居者の募集のための清掃費用は、貸主側が負担するのが妥当」

とされているんです。

なら、そんな内容はおかしい…と思いますよね?

しかしごく当たり前に行われ、そして、問題なく成立しています。

不動産業界では一般的になっていることなので、借りる人が内容を見て、契約前に変更を願い出たとしても、

「だったら入居してもらわなくていいです」と契約を断られてしまうことになるでしょう。

 

「内容の説明を受けて契約したのであれば、契約内容に従うべきだよね」

というのが、「契約」というものの当たり前の原則です。

ガイドラインは契約を結ぶ時に参考にするもので、契約書がガイドラインと違っていたからといって特に問題はありません。

契約内容に法律上問題があった場合は無効になりますが、

ガイドラインは「法律」とは別のものなので、そこまでの強制力はないのです。

 

実際に「清掃費用借主負担」が認められた裁判事例

「ガイドラインとは違うけれど、借りている人の負担になった」ケースの裁判事例があります。

ご興味のある方は以下をご参照ください

▶清掃費用負担特約並びに鍵交換費用負担特約について消費者契約法に違反しないとさ
れた事例

清掃費用と鍵の交換費用の借主負担の契約を結んだ方が、この契約内容はおかしい、と訴えた裁判です。

 

国交省ガイドラインでは清掃費用も鍵交換費用も「貸主負担」が妥当とされているのですが、

・契約書、重要事項説明に金額が記載されている

・重要事項説明書の説明がきちんと行われている

・金額が妥当

・部屋の清掃や鍵の交換は、借主にとっても一定の利がある

というのが、この裁判での清掃費用・鍵交換費用の「借主負担」が認められた理由です。



契約書・重要事項説明書に借主が負担する清掃費用の金額が明確に書かれていない、

重要事項説明がきちんとされていなかった、

普通なら2万5千円で清掃できる部屋なのに、十数万を請求した…

といったような場合は、清掃費用が無くなったり減額になったりするかもしれません。

 

「ガイドラインでは貸主負担になっているじゃないですか」と、清掃費用などの支払いを退去時になって拒否したり、返還を求めるとする方がいらっしゃるのですが、

契約した以上は、借主さんも費用負担に同意したとみなされてしまいますので、

契約するときはきちんと説明を聞く事が大切です。

契約書に書かれているとしても、「壁紙に汚損破損がなくても、借主は全室の全面貼替費用を退去時に負担すること」であるといった内容なら、消費者契約法違反になってくると思います。

家賃がものすごーく安い場合などはまた違ってくるかと思いますので、一概には言えないんですが…。

 

こういった裁判事例などは検索すれば出てくるので、

自分の契約内容はどうなんだろう?と気になる部分があれば調べてみてください。

 

まずは「契約前」に知ろうとすることが大事です!

といったわけで、簡単にまとめると

・ガイドラインは法律ではないので、契約書の内容のほうが原則としては強い

ということを、覚えておきましょう。

まずは契約前に契約書によく目を通して、どんな費用が必須でかかる、と記されているかを確認することが重要です。

あまりにも変な内容の契約書の場合は、いくら物件が良かったとしても契約しない、という判断も時には必要かもしれません。

法律違反ならいざとなったら戦えば勝てますが、相手が引かなかった場合、訴訟などの手続きは大変ですからね…。

 

そして、退去時に費用を請求された場合、契約書に書かれた内容と食い違いが無いかどうかを確認します。

なので、契約書や重要事項説明書は退去時まで無くさないように注意しましょう。

 

退去時費用の請求内容に不審があったら、まずは契約書!

その上で契約書の内容自体に不明な点や不審があったら国交省ガイドラインや裁判事例!

を参考にしてみてください。

 

 

オーナーさん向けに作成した記事ですが、

「法律を守っていない契約書」についてのブログを書いています。

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