【賃貸経営】「理由があって特別に家賃を安く」するときは記録を残そう!
賃貸物件オーナーさんが、知人や親族、生活保護受給や年金暮らしである、といった事情で、
特別に、家賃を相場よりもかなり安くして貸すということはよくあるのですが、
事情が変わって賃料を変更したい、となると、契約時に何も用意をせずにおくと、苦労することがあります。
まずは、知人友人親族でも契約書は交わしましょう!
知人が住むところに困っていたので、家賃を下げて賃貸物件を貸す、なんてことは結構あることです。
あるいは、長期の遠方への赴任などで持ち家を空けることになったので、親族に安く貸した…なんていうのもあまり珍しくはないかと思います。
今回は賃貸経営において「事情を考慮して賃料を特別に安くする」場合の話をしたいのですが、その前にまず!
「知人・友人」「親族」に家を貸すといった場合に、親しい関係だからと賃貸借契約の書類を交わさないことがあります。
が、状況というのは色々と変わるものです。
「何年後には退去してね」と口約束をしていたけれど、
予定の年になっても退去してくれず、強制的に出て行かせるというのも簡単にはいかず、
なんの契約書も覚書もないので「退去の約束」を証明することができない!
といったトラブルはよく聞かれます。
ほかにも、店舗や事務所に使われる、又貸し・民泊にされる、勝手に改装をされる、想定していないペットの飼育…などなど、
「知人・親族から借りている家でこんなことやるはずがないだろう」
とあなたが常識のように思っていたとしても、それが誰にでも通じるわけではありません。
簡単に飛び越えていく人はいるのです。
契約というもの自体は口頭でも成立はしますし、
「親族なのにわざわざ契約書なんて…」と契約を交わすことをを拒絶されるケースもあるかもしれませんが、
契約書というのは双方で交わすものですから、貸している側にも、借りている側にも、何かトラブルがあった場合の助けになるはずのものです。
用意するのはちょっと面倒かもしれませんが、転ばぬ先の杖と思って、相手が誰であれ契約書は交わしておくのが得策です。
相場より安くしたこと、状況に変化があったらどうするのか残しておきましょう!
さて、本題ですが、
知人や親族、あるいはその紹介で入居する場合や、生活保護や年金受給、障害などを考慮して賃料を特別に安くする…といったケースはよくあります。
千円二千円の話ではなく、本来の半額や3分の1、といったかなりの減額をする場合もあるでしょう。
そうした安い賃料で契約を結び、入居を続けてきたけれど、あるとき事情が変わった!という場合があります。
例えば、高齢の年金受給者一人暮らしだというから安くしていたけど、途中からそれなりの給与収入を得ている家族が同居しはじめた。
契約していたご本人が亡くなると、その賃貸契約はそのまま相続人に引き継がれることになるのですが、一人暮らしの借主本人が亡くなり、自分とは付き合いのない相続人がこのままこの契約を引き継いで自分が住みたいという…。
などなど。
収入が無いから、などの理由で安く貸していたのですから、
入居者が増えたり入れ替わったりして収入が増えた以上は、相場の賃料を支払ってもらいたい、と考えるのは普通のことですが、
賃料の増額を求めるのは簡単ではありません。
詳しくはこちらの記事↑をお読みいただければと思いますが、
条件を満たさなければ賃料変更の交渉はできませんし、条件を満たしたとしても強制的に変更はできず、借主が同意しない限りは増額できません。
増額の条件については、「近隣の物件相場に比べて安い」賃料にしているのですから交渉自体は可能かと思います。
が、それに借主側が同意をするかどうかが問題です。
借主側は変わらず同じ賃料の支払いを続ければ、基本的には現行の契約内容を維持して住み続けることができます。
もちろん、理解して同意してくれる人も多数いらっしゃいますが、
現状維持を望まれてしまうと、諦めるか、弁護士や裁判所などを利用して交渉せざるを得ず、
状況によっては裁判をしても、値上げは妥当ではない、と判断される可能性もあります。
ですので、賃料を特別に安くする、といった場合には、契約書の特約に記載しておいたり、覚書などを用意したり、なんらかの記録を残しておけば、交渉がしやすくなります。
・本来募集していた設定賃料があればその金額
・借主の〇〇さんの現在の状況を鑑みて賃料を下げた契約をしたため、生活や経済状況の変化によっては本来の賃料に戻させてもらうこと。
・借主の〇〇さんの生活状況や貸主との信頼があってこそ賃料を安くしたので、現状の賃料は相続人には当然には引き継がれないこと。
などを記載して、借主さんに署名捺印などをいただけるといいのではないかと思います。
経済状況や身体の事情などを詳しく書く必要はプライバシーの観点からも必要ないですが、
「この契約条件は、〇〇さんの事情・関係性あってのものである」とわかるようにしておくと良いかと思います。
自分の将来、その先も見据えた契約をしましょう!
こういった契約書や覚書は、退去してくれない、家賃変更に同意してくれない、のような「話がこじれた」時のためだけに用意するわけではありません。
住宅の賃貸契約は、場合によっては何十年と続き、
その何十年の間に、「貸主が賃貸経営から引退する」こともよくあります。
建物を売却することにしたり、相続で引き継いだりした人には、口頭での約束事というのは引き継がれませんし、
自分にとって借主が信頼できる親しい知人であったとしても、引き継ぐ人にとってそうであるとは限りません。
また、将来的に認知症などにより、情報があいまいになるケースも考えられます。
知人や親族、といった個人の信頼関係に基づいた契約を次の人が引き継いだときにも考慮してもらうためには、きちんとした記録を残すしかありません。
なかなか先々のことを考えるのは難しいことですが、ひとつひとつ取り組んでいきましょう!
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