ストーブを自分で持ち込んだら、分解整備費は払わなくてもいい?
お部屋の退去立ち合い時に、
「設備のストーブは使ってなかったんだけど、分解整備費払わないといけませんか?」
というお話になることがよくあります。
ストーブ分解整備費について
ストーブ分解整備費、またはストーブ分解清掃費。
北海道などの北国では、お部屋に設備として灯油FFストーブや灯油煙突ストーブが設置されていることが少なくありません。
大家さんが負担するケースもありますが、ストーブ分解整備費は入居者さんが入居の際や退去の際に支払うという契約が多いです。
入居者さんが自分で手配して実施した後で引き渡す、という内容の場合もありますね。
入居の契約前に「ストーブは自分のを持ち込んで使うから、分解整備費はなくして欲しい」という方や、
退去の時に「今まで持ち込んだ物を使っていたから…」という方もいます。
まずは後者のケースから考えてみましょう。
ストーブを使わない場合は事前に伝えましょう
退去時に突然「実はストーブ使ってなかったので…」というのは、なかなか、手厳しい問題です。
埃を払ってビニールでもかけてしまえば、見ただけでは本当に使っていたのか使っていなかったのか、というのはなかなかわかりません。
簡単に嘘がつけてしまいます。
住んでいたのが、短い期間であったり、夏の間だけだったということであればまだしも、
何年も住んでいてずっと使っていなかった、というのは証明も難しいところです。
また、入居者さんには「借りているものについて、それ相応の管理をする義務」というのがありますから(善管注意義務といいます)、
使わずに置いておくのであれば、汚れたり、壊れたりすることがないようにきっちり保管しておく必要があります。
機械は、長く使用せずにいることで壊れることもあります。
なにもせずにそのまま置いていたのであれば、やはりある程度の清掃点検費用を支払う必要はあるでしょう。
本当に使われていなかったのかも、どのように保管していたのかもわからないストーブについて、
退去時に突然「使っていなかったから整備費は払いたくない・返してほしい」と言われても、大家さん側も困ってしまいます。
また、次の入居者のためには、「長い間使われていなかったストーブ」が本当に使えるか分からない以上、ストーブ分解整備はしなければなりません。
「点検してみたら壊れてた!原因はあなたの保管の方法が悪かったせいです!」
「設備の適切な管理として、適度に使用することも必要だった」
などと言われるようなことになっては困りますから、備え付けのストーブを使用しないのであれば、予め言っておくことが大切なのです。
使わないストーブ、どうする?
では、「ストーブを使わないので…」と入居する前に伝えておくことにした場合です。
まずはこれに許可がでるかどうかです。
ストーブは、ものによっては結露を引き起こす原因などにもなりますから、
使う予定のストーブが、開放式の石油ファンヒーターだというのであれば、拒否されるかもしれません。
水蒸気が外に排出される、FF式や煙突のストーブを使用しましょう。
使わないストーブは、入居者さんの部屋に置いてあっても場所を取りますから、入居者さんとしては大家さんが保管して欲しいですよね。
でも、大家さんも必ずしも保管場所が確保できるわけではありません。
機械は使わずにいても経年劣化で壊れることがありますから、
「数年後に入居者が退去する頃には使えなくなっているかもしれないが、今は使えるストーブ」というのは、
大家さん的にもなかなか対処に困る物体です。
こういった点でも、オーナーさんが「ストーブを使用しない」ことを許可してくれるかどうかは難しいところですね。
入居者さんのお部屋でストーブを保管するとなると、「本当に使っていなかったのかがわかりにくい」という面もありますので、
可能であれば大家さん側に保管・処分してもらうのをオススメしたいところではありますが…。
入居者さんが自分で保管するという場合は、保管方法については大家さんの指示に従いましょう。
「言われた通りの保管方法で保管しました」というのが、入居者さんが自分の責任を問われないようにするのに大事なことです。
契約手続き前なら、契約書のストーブ分解整備費用に関する内容の変更などをしてもらいましょう。
手続き後に「やっぱり使わないので…」というのは、なるべく避けたほうがいいですが、話し合って合意ができた場合は、記録に残しておいてもらいましょう。
ストーブ分解整備は自分で依頼しても大丈夫?
ストーブの分解整備費、「大家さんにお金で払うより、自分で手配したほうが安いんじゃないかな」ということもありますよね。
退去が決まった時点で大家さんにその旨を伝え、許可が得られれば問題ないと考えられます。
大家さんがストーブ分解整備を行っている業者本人や家族という場合もあるので、そういった場合は渋られる可能性も高いですが、
きちんとした業者に依頼するのであれば、大家さん側が拒絶する、というのも逆に難しいかと思います。
自分で依頼するという場合の注意点です。
・きちんとした業者に依頼する
ストーブの分解整備業者、中には怪しい業者さんもいます。安易に安い業者さんに飛びつかずに、きちんとしたところを選びましょう。
・点検結果や領収証などを保管しておく
「本当に依頼したの?カバーをかけてごまかしてない?」なんてことにならないように、業者さんからきちんと依頼した証拠になるものを受け取って、見せられるようにしておきましょう。
・退去に間に合うように手配する
今日依頼して明日すぐにやってもらえるというわけではありません。
一度業者さんがストーブを回収して、終わったら返してもらうというのが通常です。早めに依頼しましょう。
また、夏季のストーブ分解整備の値段が安いのは、1~3か月程度多数のストーブを預かって、その間に順次やっていく…という形がとれるためです。
早めに終わらせてもらう場合や、冬期間の場合は、夏季に長く預ける形式よりも費用が高くなる場合があります。
以前に、入居中にストーブをメンテナンスする場合についての記事も書いておりますので、こちらもご参考にしてみてください。
北国の生活に欠かせないストーブ。
持ち運ぶには大変で、借りた部屋にストーブが設備としてついているのはありがたいものです。
ストーブ分解整備費は、ストーブがついている多くの賃貸契約に記載されているものですが、全国的なものではないため、知らない方も多いものでもあります。
退去時に費用請求されてから、「使ってないから払わない」というのでは揉めてしまうことになりますから、契約前によく確認して契約を結ぶよう気を付けましょう!
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