「猫の餌付け」をやめてもらいたい!野良猫トラブル
個人的に猫は大変可愛いですが、そう思うかどうかは人それぞれですし、
猫が被害をもたらすのは、可愛いのとはまた別問題です。
以前、「アパートの人が野良猫に餌付けをしている」とご相談を受けたことがありました。
野良猫が起こすトラブルとは
野良猫が起こすトラブルというのは様々です。
●ゴミを漁って散らかす。
●匂い付けが非常に臭い。なかなか落ちない。
●花壇や畑、プランターや鉢の土を掘り返される。
●駐車場の車に足あとや傷をつけられる。
●鳴き声がうるさい。
●ノミやダニがついており不衛生。噛まれたり引っ掻かれたりすると病気に感染する危険性がある。
●そもそも猫が苦手、猫に限らず動物全般が苦手。
●猫は可愛いけど猫アレルギー。
などなど…。
猫の餌付け自体は、「餌を買って来て、置くだけ」と随分簡単なものです。
しかし、餌付けをしている多くの人はそれに付随して起きるトラブルや問題について深くは考えていません。
集まってきた猫の糞尿を片付けたり、猫が人や物を傷つけたとしても責任を取ったりするような人はほとんどいません。
場合によっては自分が出したエサの空き缶すらほったらかしです。
カラスなどの別の動物が集まってくる可能性もあります。
アパートの人が猫の餌付けをしていて困る!
「同じアパートの入居者さんが、猫の餌付けをしている」、
もしくは「近所のアパートの人の猫の餌付けの影響がうちにも来ている」という場合、
色んな人がいますから、本人に直接言うと「騒音」などの問題と同じでトラブルになることもあります。
騒音トラブルの対応については下記の記事をご参照ください。
まずはアパートのオーナーや管理会社に報告をすれば、注意などが行われ、
理解のある方であればすぐやめてもらえる場合もあります。
が、すぐやめてくれない場合に迷惑行為や契約違反ですぐに退去してもらえるか、というと簡単にはいかないのが実情です。
まったくオーナーさんや管理会社が動いてくれる様子がない!!
または注意などは行われているけど全然改善しない!
という場合は、
自治体によっては条例で制限やルールを守らない場合は過料の定めがある場合があります。
また、動物愛護法、第二十五条では、都道府県知事は動物へのエサやり、水やりによって周辺の環境の悪化が発生した場合、指導等を行うことができると定められています。
動物の愛護及び管理に関する法律
『第四節 周辺の生活環境の保全等に係る措置
第二十五条 都道府県知事は、動物の飼養、保管又は給餌若しくは給水に起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によつて周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。』
自治体に相談したり、
実際に器物損壊などの被害が出ている場合は、警察や弁護士等への損害の相談もできるでしょう。
動物愛護の観点からも一概に猫に餌を与える行為が悪いとは言えず、「地域の猫」として愛されている猫も実際存在しています。
そういった事例も踏まえると、やめさせるのは長期戦になるかと思います。
裁判を起こして賠償を求めたり、迷惑行為としてオーナー側から退去をさせる…
といった場合は色々証拠が必要になったりするので、証言を求められることがあるかもしれません。
どんな頻度で餌を与えていたのか、いつどういった被害があったのか、といった情報は記録しておくと良いかと思います。
ともあれ、なるべく「直接1対1でやめるように言う」、というのは避けた方が無難かと思います。
正しい飼育、正しい野良猫への対応とは
私の家の近所では十数年前までは、近所に餌付けされた野良猫がたくさんいましたが、その分、車に轢かれてしまった猫を見ることも多かったです。
親猫が不慣れだったのか、育児放棄されたらしい仔猫がそのまま死んでしまったのを見たこともありました。
ご飯と寝る時だけ戻ってくるような、半分外で飼育されているような猫もかつては多かったですが、
最近はACジャパンのCMで「家の外に出してはいけない」とさだまさしさんが歌ったりして、完全室内飼育が定着してきました。
野良猫の餌付け…というか、餌を与えるにしても、
周囲に迷惑にならない場所を選んで行い、ただ餌を置くのではなく食べ終わったら片付けて掃除をし、
更には一度捕獲して猫に避妊手術して返す、というような運動を行っている方たちもいます。
避妊手術をすることでこれ以上野良猫を増やさず、将来的に事故死したり、殺処分になる猫を減らして行こうという運動です。
避妊手術済み目印として入れる耳の先のV字のカットが桜の花びらに似ていることから「さくらねこ」として知られています。
生き物のことですから、簡単に「これが正解!」ということも言えませんし、地域にはそれぞれ事情があります。
しかし、それぞれの縄張りで人間と適度な距離をとって生きていけたかもしれない野良猫を、
餌付けという行為が「害獣」にしてしまっているのかもしれません。
野良猫を餌付けして自己満足で可愛がるだけでなく、
周囲の人のこと、地域の猫の未来にも、目を向けていかなければいけませんね。
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