アパートの騒音トラブル、大家・管理会社への伝え方と対応
賃貸物件の入居に関わるトラブルで、身近でやっかいなのが「騒音」の問題です。
隣や上の階の騒音が気になったら、どうしたらいいの?
自分が騒音の加害者にならないための対策は?
自己解決はトラブルの元!でもすぐに解決してくれるの?
大きなテレビの音、夜中に掃除機や洗濯機、足音、子どもの跳ねる音──
早く解決したい、と相手の部屋に訪ねて行ってトラブルになるケースがあります。
実は音を出していたのは別の部屋の人だったり、女性の一人暮らしの部屋に男性が怒って向かい、恐怖を覚えた女性が警察に……なんて大事になることも。
そんな事態を避けるために、まずは、オーナーか管理会社に相談を…ということになりますが、相談してすぐに解決するとは限らないのが騒音問題なのです。
賃貸オーナーさん向けの騒音トラブル対応の記事もありますので、
気になる方はこちらもご確認下さい。 ↓
一般的な管理会社・オーナーの対応
騒音トラブルが大きな問題に発展しないよう、アパート・マンション管理会社やオーナーはかなり慎重に対応をします。
まずはどんな時間帯に、どんな音がするのかを確認します。
「夜勤で昼間は寝ているのに、日中掃除機の音がして眠れない」といったケースの場合、申し訳ありませんがご対応はかなり難しい形になります。
朝8時頃から夜の20時くらいまでは一般的に人が起きて活動している時間と認識されており、例えば選挙カーや街頭演説なども、この時間内の活動を認められているためです。
選挙カー等は念のために朝遅め、夜早めに設定されておりますから、一般的には朝7時~夜21、22時くらいまでは多少家電などの音がしても致し方ないという判断になるかと思われます。
また、引っ越し作業や、室内の修繕作業など、一時的なものの場合もあります。
確認が取れると、まずはアパート全体に対して「騒音がたたないようお気遣いください」といった趣旨の通知をする形になります。
まずはどこの部屋の誰がと特定せずにやんわりとお伝えします。
ある程度自覚のある方の場合はこれで解決します。
が、本人に音をたてている自覚がまったくない場合、効果は期待できません。
となれば、音の原因と思われる部屋の周囲の部屋の方にも聞き取り調査を行ったり、
実際、音が鳴っている状況を確認させて頂いたり、ということになります。
「何時ごろにこういう音がして悩んでいる、というご相談があったのですが、同じような音を聞いたことはありませんか?」
というような形でやんわりとお話をし、生活習慣を改めてもらう……という形をとることが多いです。
自然と気がついて気をつけて頂くのが、一番平和的な解決です。
が、まったく音をたてている自覚がない方には上記のような言い方が通じません。
かといって強く指摘すると「最初にクレームを言ってきたのは誰だ」と怒りを覚え、特定して文句を言ったり、嫌がらせをするケースもあります。
悪意を持って、隣室階下の人を追い出そうとして騒音をたてているケースも稀に存在します。
アパートオーナーや管理会社は、個人の生活にまで細かな干渉はできません。
「足音が響くので気をつけてほしい」と言うことはできますが、
フローリングの生活をしている人に、じゅうたんを敷くことを強制するのは難しいことです。(アレルギーなどで使用が難しいケースもあります)
契約書に騒音で迷惑をかけることは禁止事項として書かれていても、
「何度も通知や告知をし改善を待ったが、改善しない」という証明をしなければ、オーナーさんは入居者を退去させることができません。
場合によっては裁判になるため、時間がかかります。
裁判が終わるまで騒音は続くかもしれませんし、
裁判事例として最終的に「社会生活上、受忍限度(世間一般として、このくらいは我慢できる、我慢すべきだろうという限度)を超えた音ではない」として、認められないケースもあるのです。
このように、騒音問題の解決は一筋縄ではいきません。
たくさんのアパートを管理しているオーナーや管理会社は対応経験が豊富ですが、それでもかなり対応に苦慮するのが騒音なのです。
騒音問題、相談の際のポイント
騒音の受け取り方は個人差があるもの。
オーナーや管理会社は入居者全員に対し公平に考えますので、相談者が音に過敏な方で、音自体は一般的な生活音である可能性も考え、騒音の事実を詳しく聞いてきたりします。
そんなときにあると便利なのが、「いつどんな音がしたか」の記録です。
騒音が聞こえてきたら、日付と時間帯、どういった音なのかを記録しておきます。
また、音を直接確認できればいいのですが、夜中の音などは一晩お邪魔するわけにもまいりません。
ですので、動画や音声で記録しておくのも、具体的にどんな音かがわかりやすく、管理会社側としても助かります。
可能なら騒音計による数値の測定ができると、訴訟などの際にもかなりの証拠になるでしょう。
オーナーや管理会社に証拠を出して相談をし、「どんな対応をしてくれたのか」確認をとり、
改善が見られないようならまた相談する、を積み重ねていきましょう。
相手によってはすぐに解決、とはいかないかもしれませんので、
長期戦になりそうな場合は耳栓や防音カーテンをつけるといったような自衛も必要かもしれませんね…。
騒音の加害者になりたくない!どんなところに気をつけたら?
「音で迷惑をかけると嫌だから、アパートの1階の部屋がいいんだけど……」
お部屋探しのお手伝いの際、そんな風に言われる方もいます。
アパートの構造や床材、周囲の人がどのくらい音を気にするかによって状況は千差万別ですので、一概には「こうすれば安心」とは言えません。
音というのは「振動」です。
共同住宅の音は、床や柱を伝わって他の部屋へ大きく響きます。
振動を軽減する道具などを使ってみましょう。
足音が、という場合はジョイントマットなどを敷き詰める。
特に小さなお子様の遊ぶスペースなどはさらにその上にプレイマットなどを用意しても過分ということはありません。
ジョイントマットやカーペットの下に防音マット(防音シート)を敷く、という方もいます。
ステレオ、テレビの音が、という場合は、床や棚に直に置いているのなら、間に免振ゴムを挟むなどが効果的です。
多少お金がかかってしまいますが、床のマットは冬場の防寒・ひいては省エネにもなりますし、プレイマットはお子様の転倒による怪我防止、免振は地震対策としても有用です。
一石二鳥のアイテムですから、きっと損ということはありません!
音の種類が歩いたりする音ではなく、動物や赤ちゃん、子どもの声などの場合は、防音カーテン(遮音カーテン)なども有効です。
この他、生活習慣としては、
歩くときは忍び足をする必要はありませんが、かかとからドスドスと歩くのはやめましょう。
ドアをバタン! と強く閉めるのもよく響きます。
生活リズムは人それぞれですが、夜21、22時~朝7、8時くらいまでの間は大きな音の鳴る家電などの使用は控えましょう。
(ご高齢の方や小さなお子さんがいる方が多い集合住宅なら、21時くらいにはやめておいたほうが無難かとは思います)
周囲が静かな分、声もよく響きます。お話の声やテレビの音量も昼よりも控えめに。深夜にテレビやラジオを視聴する場合は、イヤホンなどの使用を検討しましょう。
アパート・マンションは様々な方が住んでおり、いつお互いがお互いに迷惑をかけてしまうかわかりません。
どれだけ気を遣っても、夜中に赤ちゃんがなかなか泣き止まないとき、「周囲に迷惑になってしまう」と泣きだしたいのはお父さんお母さんのほうです。
今はアパートのお隣同士だからといって交流を深めるという時代でもなくなってきていますが、
「うちは小さな子どもがいるから、迷惑をかけてしまうかもしれません」
「仕事で帰りが遅いから、夜中に音がしてご迷惑をおかけするかもしれません」
とあらかじめ周囲の方に挨拶し、お話しておくことも、不要なトラブルの回避につながるかもしれません。
同じ音でも、相手がなんの事情があってたてている音なのかわかれば印象は変わってきます。
共同住宅はお互いの気遣いが大切です。
同じ建物で生活する以上、多少の音は聞こえてしまうもの。
そう理解して、お互いあまり息を詰まらせることなく生活していきたいですね。
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