相続やることリスト最終章~みんなで一緒に考えましょう~
一番多い質問です。
シリーズでお送りしてます。
最終章「どうしたいのかを共に考えましょう」
前回までの内容
▶相続やることリストその1~資産・負債の把握~
▶相続やることリスト1.5~戸籍謄本の基礎知識~
▶相続やることリストその2~相続人の把握~
で、財産(負債も)と相続人を把握することができると、
その財産をどうしたいのか考えることができます、何ができるのかを調べて対策することもできます。
相続財産が1億円の人と5,000万円の人、相続人が配偶者と子の人と親兄弟が含まれる人とでは、できることと、やりたいことに差が生じるかも知れません。
なぜ、私が65歳から準備して下さいというと、相続開始3年以内の贈与等はなかったものとみなされ、相続財産に含まれてしまうからです。
また、早いうちからだと、より自分の希望に近づけることもできるからです。
とある4人家族の相続、「妻が全部を相続」した場合と「法定相続」の税金の違い
例えば、
…場所は恵庭市、家族構成はあなたと妻と長男長女の4人家族。
相続財産が1億円だとします。
恵庭市は土地も高くないので自宅はせいぜい評価2,000万円でしょうか^_^(2018年現在)
残りの8,000万円のうち、アパート評価3,000万円、土地評価500万円を4区画、預貯金等3,000万円だとします。
法定相続する場合は、妻5,000万円、長男2,500万円、長女2,500万円となります。
分割協議の上、全員が了承すれば妻がすべてを相続することも可能です。
妻が全てを相続した場合、総額の半分もしくは1億6千万円までは非課税ですから相続税はかかりません。
ここで注意しなければならないのは、
今回、妻に多く分割することにより、今回の相続税は低く抑えることができますが、
二次相続いわゆる次に妻の相続の際には、多くの相続税がかかってしまいます。
仮に今回の相続を全て妻にすると、相続税はかかりません。
しかし、将来、妻の相続を行う場合いわゆる二次相続の際は、
相続人が3人から子の2人になるわけですから、基礎控除が4,800万円→4,200万円となり5,800万円が控除後相続財産となるわけです。
これを法定相続分で分けると2,900万円ずつで×15%-50万円=385万ずつ=770万円。
配偶者ではなく子ですので、1/2ずつの按分で385万円ずつ負担しなければなりません。
では、今回の相続を法定相続に沿って行うとどうなるのか?
4,800万円が基礎控除となり5,200万円が控除後相続財産。
これを法定相続で分けると2,600万円と1,300万円と1,300万円。
2,600万円×15%-50万円=340万円、1,300万円×15%-50万円=145万円、同145万円の合計630万円が相続税総額となり再度按分すると、
妻315万円、長男157.5万円、長女157.5万円となるわけですが、
妻は基礎控除で非課税となるため、子供たちが157.5万円ずつ負担すれば済みます。
どっちにしますか?
子どもたちの将来のことを思えば、考えるまでもないですよね。
今、これらを見て「なんだか数字の羅列で目が滑る」と思われたなら、
それを70歳、80歳になって見た時に理解して判断できるかどうかは危ういと思いませんか?
資産は変動するし、渡し方も「相続」に限りません。
次に、「法定相続、法定相続」いいますが、法定相続しなくても全然いいんですよ!
ただ分割協議をしなければならなく、法務局等に提出する書類が多くなるだけです。
上の場合でも、例えば、1億円を5,000万円と2,500万円ずつに分けなくても、
分割協議のうえ5,000万円、4,000万円、1,000万円にしてもいいわけです。
この場合は当然ながら相続税も上記相続税総額を相続額に対して按分することになります。
ここまでは、インターネットなどを見れば一般的にわかることだと思います。
が! 上記では分かりやすいように、対比での説明をしてます。
実際は、恵庭市の場合ですと自宅とアパート、土地の不動産価格は下がることが予想されます。
土地こそ変わらないかも知れませんが、建物の評価額は年々下がっていきますよね。
そうすると妻の死亡による相続時の相続財産は下がってるわけです。
また、毎年110万円ずつ現金を贈与する…などすれば更に下がります。
私から、不動産相続の視点として、
とことん現金化するか
とことん不動産化するかですね。
例えば婚姻20年以上であれば自宅は妻に譲渡できますし、これは相続にも贈与にもなりません。
その上で、他を現金化して、時間をかけて配分する。
孫の教育資金制度の活用もいいですね
例えば、持ってる土地にアパートを建てる、または土地を売って新たな立地の良い土地にアパートを建てる。
もしくは土地を交換してアパートを建てる。
アパートは、建てる総額より評価額が低く、負債もできるので、相続財産は一気に下がります。
財産を残す方法は一つではなく、
そして、それをどういう方法で渡されると嬉しいのかは、受け取る側が決めることです。
みんなと話をして、どうしたいかを決めましょう!
そこで最終章!
まずは本人が財産と相続人を把握したうえで、自分亡きあと、どうしてほしいのか。
そして妻や子は、どうしたいのか。
一度話し合ってはいかがでしょうか?
お正月やお盆、みんなで集まって、重くではなく、軽くでもいいので、将来の相続についてお話ししてみてはいかがでしょうか。
相続準備で一番大切なことは、自分の想いと、みんなの考えとのギャップを認識し、
何ができるのか、どうしたらいいのかを考えて、少しずつ実行していくことです。
あなた亡きあと、子どもたちは東京だニューヨークだで戻るつもりは一切なく、余計なものは残さないでっ!と思ってるかも知れません。
奥さんも、家を売って、除雪のいらないマンションやサ高住に移りたいとか、田舎に戻りたいとか思ってるかも知れませんよ。
皆さんの考えを確認したうえで、最適なプランを考えていきましょう。
それが一番大事です。
▶相続やることリストその1~資産・負債の把握~
▶相続やることリスト1.5~戸籍謄本の基礎知識~
▶相続やることリストその2~相続人の把握~
不動産相続の相談は、
株式会社不動産の窓口(恵庭)までご相談下さい。
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