不動産相続登記の義務化は令和6年4月1日から!過去の相続や住所変更もこの機に確認を
深刻化する「所有者不明土地」、皆さんの所有する不動産も、将来所有者不明土地になったり、現に所有者不明土地である可能性があります。
解消に向けて変わる制度を知って、早めに対策をしていきましょう!
不動産相続登記の義務化がはじまります
令和6年4月1日に不動産相続登記が義務化されます(正確には、相続登記の申請の義務化)
これは、所有者不明土地の解消に向けて「令和3年民法・不動産登記法」の改正、
「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」の制定によって、
不動産に関する大きく変わるルール(法律)の一つです。
所有者不明土地についてはこちら↓
所有者不明土地、というのは簡単に言えば
「謄本を見ても最新の情報が乗っておらず、所有者を確認したり連絡をとるのが困難な土地」です。
所有者不明土地の原因は主に2つ。
相続登記の未了 63%
住所変更登記の未了 33%
(令和2年国土交通省調査)
亡くなられたり、引っ越ししたあとの手続きがきちんとされていないのが原因です。
そこで、不動産登記法が改正されるのですが、主な改正項目は3つ。
・相続登記の申請の義務化
・住所変更登記等の申請の義務化
・不動産登記の公示機能をより高める観点等からの改正
ここでは、
「相続登記の申請の義務化」
「住所変更登記等の申請の義務化」
についてお話します。
相続登記の申請の義務化
令和6年4月1日から施行されます。
①基本的義務:相続(遺言含む)や遺贈によって不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
②追加的義務:遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請しなければならない。
①②ともに正当な理由がないのに義務を違反した場合は、10万円以下の過料の適用対象となります。
また、この法律には遡及効(法律の施行時点からさかのぼって効力を持つこと)があります。
施行日以前に相続があった場合でも、施行日から3年以内に相続登記申請をしなければなりません。
「え?権利関係が複雑で無理だよ!」
「昔々の話であって不可能だよ!」
という方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。
相続登記申請義務化に伴い、次の3つの制度が新設されます。
・相続人申告登記
・所有不動産記録証明制度
・所有権の登記名義人の死亡情報についての符号の表示制度
この制度については、後日、お話いたしますね。
住所変更登記等の申請の義務化
令和8年4月までに施行されます。
住所等を変更した日から2年以内に変更登記の申請が義務化
正当な理由がないのに申請を怠った場合には、5万円以下の過料の適用対象となります。
住所変更登記等の申請も相続登記同様、遡及効があり、
施行日以前に発生している住所等の変更も、施行日から2年以内に登記申請しなければなりません。
しかし、不動産の住所変更の手続きについてこんなことを思ったことはありませんか?
「なんで住民票変更してるのに連携されないの?」
今まで誰もが疑問に思ってたことが解消される制度が新設されます。
職権による住所等の変更登記
という制度です。
こちらの制度については令和8年4月までに施行ということで詳細が確定されておりませんので、制度の内容が確定され次第、改めてお話させていただきます。
が、これだけだと「職権って、誰の職権?」と疑問に思われるかと思いますので、
簡単に説明すると、「法務局の登記官の職権で住所変更登記をする」というものになる予定です。
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